楽楽販売の設定方法|自社に合わせる手順と失敗例
この記事の要点
- 設定は業務整理→項目設計→テスト運用の順で進めると手戻りが少ない
- 見積・請求項目の税務関連は国税庁など公式情報で最終確認が必要
- 生産管理用途には向かず、販売管理・データ管理に適した設計が前提
楽楽販売の設定方法は「業務整理→項目設計→テスト運用」の3段階で進める
楽楽販売の設定は、いきなり画面を触るのではなく、自社の業務フローを整理してから項目やフォームを設計し、小さく試してから本番運用に切り替えるのが基本的な流れです。この順番を省くと、入力項目が現場の実態と合わず、後から何度も作り直すことになりがちです。
楽楽販売はラクスが提供するクラウド型の販売管理システムで、画面の項目や処理の流れを自社の業務に合わせて設定できる点が特徴です。ただし「何をどう設定すればよいか」は業種や運用ルールによって異なるため、本記事では設定前の準備から設定後の見直しまで、進め方の全体像を解説します。
この記事でわかること
- 設定作業に入る前に整理しておくべき3つのポイント
- 見積・受注・請求など業務ごとの設定の考え方
- 自社で設定する場合によくあるつまずきと対処の方向性
設定を始める前に準備すること
業務フローを一度書き出す
楽楽販売の設定で最初につまずきやすいのが、「現状の業務フローが誰も正確に把握していない」という状態で設定を始めてしまうケースです。見積から受注、出荷、請求、入金確認までの流れを、担当部署ごとに書き出しておくと、どの段階でどんな項目が必要かが見えてきます。
Excelや紙の帳票で管理している場合は、現在使っている帳票の項目を一覧化しておくと、楽楽販売側の項目設計にそのまま転用しやすくなります。項目数は企業によって異なりますが、見積書だけでも20〜40項目程度になることが多く、この棚卸しを飛ばすと設定途中で「この項目が漏れていた」という手戻りが発生しやすくなります。
誰が何を入力するかを決めておく
販売管理システムは営業・事務・経理など複数の部署が関わることが多いため、「誰がどの画面にどのタイミングで入力するか」をあらかじめ決めておくことが重要です。この役割分担が曖昧なまま設定を進めると、入力の重複や抜け漏れが起きやすくなります。
移行するデータの範囲を決める
過去の取引データや顧客マスタをどこまで楽楽販売に移行するかも、設定前に決めておくべき事項です。直近1〜2年分のデータだけ移行する企業もあれば、顧客マスタは全件移行し取引履歴は当面参照しない、という進め方を選ぶ企業もあります。データ量が多いほど移行作業の負荷も大きくなるため、業務上どこまで必要かを先に見極めておくと無駄な作業を減らせます。
楽楽販売の業務整理・設定代行・運用保守まで、株式会社IT経営総合研究所がまとめてお手伝いします。導入前のご相談からお気軽にどうぞ。
楽楽販売の導入を相談する →項目・画面の設定の考え方
マスタ設定から着手する
顧客マスタ、商品マスタ、取引先マスタなど、基本となるマスタの設定から着手するのが一般的な進め方です。マスタの項目設計があとから変わると、すでに入力したデータの修正が必要になることがあるため、運用開始後の変更が少なくて済むよう、初期段階でなるべく固めておくことが望ましいとされます。
見積・受注・請求の帳票項目を合わせる
見積書・注文書・請求書など、取引先とやり取りする帳票は、自社の既存フォーマットに近い形で設定しておくと、取引先から見た際の違和感を減らせます。社名やロゴの表示位置、消費税の端数処理のルールなど、細かい部分ほど後回しにされがちですが、運用開始直前に慌てて調整することになりやすい部分です。消費税の扱いなど税務に関わる設定は、最終的な判断を国税庁などの公式情報や顧問税理士に確認しながら進めることをおすすめします。
承認フローや権限設定を忘れない
受注金額が一定額を超えたら上長の承認が必要、といった社内ルールがある場合、権限設定や承認の流れも設定段階で組み込んでおく必要があります。この設定を後回しにすると、運用開始後に「誰でも金額を確定できてしまう」状態のまま使い続けてしまうケースがあります。
テスト運用から本番運用への切り替え
一部の取引先・商品だけで試す
全社一斉に本番運用へ切り替えるのではなく、一部の取引先や商品カテゴリに絞ってテスト運用を行う進め方が安全です。テスト期間は2週間〜1か月程度を設けるケースが多く、この間に入力ミスが起きやすい項目や、現場から「使いにくい」という声が出た箇所を洗い出して設定を調整します。
よくある失敗例
設定作業を情報システム担当者だけで進めてしまい、実際に入力する営業や事務の担当者の意見を反映しないまま本番運用に入ってしまう、というケースがあります。結果として現場で入力漏れや二重入力が続き、せっかく設定したシステムが定着しないまま元のExcel運用に戻ってしまうことも少なくありません。設定の各段階で、実際に使う担当者にも画面を確認してもらう工程を入れておくことが大切です。
また、楽楽販売は販売管理・データ管理のためのシステムであり、工程管理や細かい連続処理を伴う生産管理の用途には向いていません。業務の性質によっては、別の管理方法と組み合わせる、あるいは対象業務を見直すといった判断が必要になります。
自社で設定するか、設定代行を使うか
楽楽販売の設定は、社内に業務フローを理解している担当者がいれば自社で進めることも可能です。一方で、情報システム担当者が他の業務と兼任している場合や、複数部署にまたがる業務ルールを一から整理する余裕がない場合は、設定を外部に依頼する方法もあります。
株式会社IT経営総合研究所(IMRI)では、楽楽販売を使った販売管理について、業務の整理から設定代行、運用開始後の保守サポートまでを支援しています。上場企業のグループ会社を含む中企業を中心に、自社の運用に合わせたシステム構築を手軽に進められる点が選ばれる理由の一つとなっています。楽楽販売自体の利用料金はラクス社の公式サイトで確認できますが、設定代行や保守サポートにかかる費用は企業ごとの業務範囲によって変わるため、個別の問い合わせが必要です。
設定後も見直しを続ける
楽楽販売の設定は、一度作って終わりではなく、業務の変化に合わせて継続的に見直していくものです。組織変更や取扱商品の追加、取引先からの帳票フォーマット変更の依頼など、設定を見直すきっかけは運用開始後も発生し続けます。定期的に設定内容を棚卸しする機会を社内で設けておくと、システムが形骸化することを防ぎやすくなります。
自社だけで設定の見直しを続けることに不安がある場合は、保守サポートを含めて外部に相談する方法も選択肢の一つです。中小企業の経営課題全般については、中小企業庁の情報も参考になります。
よくある質問
- Q. 楽楽販売の設定は自社だけでできますか?
- A. 業務フローを整理できる担当者がいれば自社での設定も可能です。ただし複数部署にまたがる業務ルールの調整に時間がかかることが多く、兼任担当者だけで進める場合は負荷が大きくなりがちです。
- Q. 設定にかかる期間の目安はどれくらいですか?
- A. 業務範囲やマスタ件数によって幅がありますが、業務整理からテスト運用まで含めると1〜3か月程度かかるケースが多く見られます。移行データ量や承認フローの複雑さによっても変わります。
- Q. 楽楽販売は生産管理にも使えますか?
- A. 楽楽販売は販売管理・データ管理のためのクラウド型システムであり、工程管理や連続する細かい処理を伴う生産管理の用途には向いていません。該当する業務がある場合は別の管理方法との組み合わせを検討する必要があります。


